プロジェクトストーリー

#03 広告のシゴト編 広告でお客様に「最高峰」を伝える使命。

Chapter 1ファン多数。高価でも求められ続ける“最高峰”美容クリーム。

肌本来の美しさを目覚めさせるエイジングケアを追求し続け、1年に1度の進化を繰り返している『エクストラリセットクリーム』。秋口から春先までの期間限定で発売するこの美容クリームは、最先端の皮膚科学とJIMOSの培った英知が集結したマキアレイベル最高峰アイテムだ。贅を尽くしたこの製品の販売価格はなんと2万円超。そんな製品に、2015年度は3万個以上のご注文をいただいた。
一般的な感覚で考えれば、2万円を超える美容クリームが飛ぶように売れることは考え難い。しかしこの結果の裏には、担当者たちの1年以上におよぶチャレンジの連続があった。
製品企画・販促企画・分析・お客様対応など、社内の各部署がさまざまな視点からお客様の満足を叶えるための試行錯誤を繰り返し、1年後にようやく日の目を見るプロジェクト。その結果は、まさにお客様からいただく“成績表”とも言える。「大変良く出来ました」のハンコが沢山押された成績表を手にするまでの1年間のチャレンジを紹介したい。

Chapter 2プロジェクト始動。“広告”の前に期待を超える“製品”企画。

モノの質が向上し、欲しい機能が安価で手に入ることが増えた現代において、消費者がモノを選ぶ理由は複雑になってきている。高価な商品であるほど、製品の機能だけでなく「この製品を手に入れることで生活にどんなエッセンスが加わるか」「気持ちが豊かになるか」といった情緒的な価値も重要となる。これはもちろんエクストラリセットクリームでも同様だ。
お客様に受け入れられるよう、製品価値をどのように訴求するか、広告担当者は、日々あらゆる女性誌や百貨店のディスプレイ・接客を自ら体験し、いち消費者・いち女性としてワクワクを体感しながら、自らもそれを創出する立場として自己研鑽を続けてきた。
『エクストラリセットクリームXIV(14)』の発売予定日は11月1日。この1年以上前、販促企画部でまだ社歴の浅いメンバーが広告の企画・制作担当に任命された。JIMOSでは、広告担当者が製品づくりの段階から企画に関わるのが大きな特徴。このエクストラリセットクリームには、毎年斬新なテーマを設定しており、14年目を迎えるこの年もその検討に約2ヶ月の期間を費やした。最先端のサイエンスを用いつつ安心を担保できる処方は徹底して守り、「気候や季節の変化により女性の肌に何が起きているか」「肌老化の原因とそれに有用な成分は何か」など数多くの問いを立て、テーマの芽をいくつも見出していく。パートナーシップを組む製造メーカーや原料メーカーをはじめ、国内のみならず海外からも業界の最新情報を収集する。こうして集まった膨大なテーマ候補を精査していくのだ。
製品企画・販促企画の担当者を中心に、コンタクトセンター・VOC※1・DBM※2・メディアクリエイティブ※3などの組織から代表メンバーが一同に揃い、プロジェクトのキックオフミーティングが開催された。過去のお客様接点やアンケートで寄せられた意見、販売実績から導き出したデータ・広告戦略を共有した後は、時として意見を衝突させながら皆が真剣にお客様に愛される製品とその打ち出し方について追求した。そんなミーティングは隔週ペースで行われ、一歩ずつ確実にテーマが絞られていった。
こうして社内で決まった、2015年のクリームのテーマは”FOXO(フォクソ)”。FOXOとは、傷ついた遺伝子とそれを包み込む細胞の修復を助けるたんぱく質の一種で、アンチエイジングと深く関わる成分である。このテーマで、いざ発売に向けて始動する前に、お客様の反応を探る重要なステップの座談会を開催した。この座談会は実際にマキアレイベルのお客様をお招きし、テーマが本当にお客様にとって魅力的か、お客様の期待を超えられるレベルかを検証し、クリアすべき課題や必要事項を明確化する重要な場である。
※1 VOC…Voice of customerを略した組織名。お客様の定性的なお声を集積・分析するチーム。
※2 DBM…Database Marketingを略した組織名。お客様の属性・購買履歴など膨大なデータを集積・分析する部署。
※3 メディア・クリエイティブ…新規のお客様向けの広告を担当する部署。各種媒体の出稿コントロール、広告企画制作を担当する。

Chapter 3広告担当者の試行錯誤で、お客様と製品の出会いをつくる。

座談会を経てついに製品テーマが確定し、広告担当者は「このクリームが欲しい!使いたい!」とお客様に感じていただくための販促設計を開始した。製品の愛用歴など、社内データベースに蓄積する膨大なお客様情報をあらゆる軸で分析し、いつ・どなたに・どの情報を・どのような形でお届けするのが効果的か、DBMと連携し仮説を導き出す。一般の小売店に卸される製品は、販売情報をメーカーへフィードバックできないケースが多い中、かねてよりダイレクトマーケティングでお客様と直接つながってきたJIMOSだからこそとれる広告企画の手法だ。こうして、販促プランが着々と出来上がっていった。
販促の第一歩として、過去にクリーム使用経験のあるお客様に向けたモニター募集※4を行った。この活動により実際の製品発売時の広告に、モニターの使用実感やアンケート数値など、製品力の根拠となるデータが集められる。
続いて先行予約を開始。前年にクリームを購入してくださったお客様には、特典付のダイレクトメールとともにクリームのサンプルを同梱することにした。肌でクリームの魅力を実感した上で、今期のクリームもお求めいただけたらという願いを込めた施策だ。1包ずつお送りしていたサンプルの存在に気付いてもらえていないケースも出たが、急遽サンプル数を3包に増やす対応に切り替え、期待どおりお試しいただけた。
これらの施策を経て、11月にいよいよ本販売を開始。クリームのメカニズムや魅力を10ページに及び表現した特集を組んだサンプル付きの会報誌をマキアレイベルのお客様へお届けし、先行予約購入を見送った方々の背中も再度押した。
こうして毎月、肌の乾燥ダメージが気になる秋口から春先まで、様々な角度から製品の魅力をお伝えしていった結果、嬉しい反響が続々と寄せられていた。
※4 モニター…商品サンプルを使用いただける代わりに、その使用実感について感想を寄せていただく取り組み。

Chapter 4お客様の喜びが届く、至福の瞬間。

試行錯誤してきた広告をお客様へお届けした結果、クリームの販売実績は3万個超、売上にして数億円に達した。実際に商品を購入してくださったお客様からは「1年間を頑張った自分へのご褒美に最適!ここ一番の大事なときのために常備しておきたい」「期待していた以上に、使うごとの肌が変わっていくのが実感できて感動した!」など、多くの喜びと感謝の声が届けられた。中には、サンプルを使用して数年ぶりに購入に踏み切ってくださったお客様も。長きにわたるチャレンジを終え成功体験を得た関係者の喜びはひとしお。製品企画部門のみならず、販促企画の担当者たちも達成感に満たされた。
お客様に喜んでいただけた実感を次のチャレンジへの活力にして、JIMOSでは今日も数多くのプロジェクトが動いている。

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