プロジェクトストーリー

#02 Coyori事業部編 “生産者と消費者をつなぐ”取り組み

「自然素材でエイジングケアを叶え、さらに商品を通して生産者と消費者をつなぐ」というこれまでにない理念を携え、2010年10月に誕生したCoyori(こより)』。わずか3年で自然派エイジングケア通販コスメ市場売上No.1を達成する人気ブランドとして、現在も売上を拡大している。しかし、今日までの歩みは決して順調だったわけではない。

Chapter 1これまでにない壮大な理念を原動力に、“Coyori”誕生。

2010年に誕生したCoyori。私たちが目指したのは、肌への効果と安全性を両立した自然派スキンケア。美しくなりたい女性の願いを叶える商品をつくるため、日本中の自然素材から本当に優れたものを自らの目で選び抜く。そして、商品の効果だけでなく素材に込められた生産者の想いやこだわりもお客様に伝える。お客様にとっては生産者の顔や想いが見えることはきっと安心を保証する材料になり、生産者にとっては自分の作物の素晴らしさを理解してくれる人が増えることは、喜びや明日への活力になる。「消費者が追い求めている効果も兼ね備えた自然派スキンケアをつくりたい」また、そんな商品を通して「生産者と消費者をつなぎたい」。それが、Coyoriの描いた壮大な夢だった。そんな夢を託しブランド名を『Coyori』とした。こよりとは和紙を縒(よ)って紡いだ七夕の短冊を結ぶ糸のこと。効果の高い自然素材を厳選しブレンドする(素材をこよる)ことで確かな実感を与えるスキンケアをつくりたい、そしてそれを求めるお客様と生産者とをつなぎ(こより)、ひいては日本の女性と農業を元気にしたいという想いで、Coyoriと名付けた。KoyoriではなくCoyoriとしたのも、頭文字の“C”にCommunication(伝え合い)・Cooperation(協力)・Cosme(化粧品)の3つの意味を込めたためであった。

Chapter 2年齢と共に減る天然の美容クリーム“皮脂”に注目。

Coyoriのはじめての商品を開発するにあたって着目したのは「皮脂不足を補う」という発想だ。敏感肌、乾燥、しわ、くすみ…年齢を重ねるごとに増えてくるエイジング(加齢)の悩み。2010年以前の時点で、この悩みの根本にあるものが「皮脂不足」であることは専門家の協力を得て突き止めていた。皮脂は人が自ら作り出す“天然の美容クリーム”。しかし、年齢を重ねるごとにこの分泌量は低下し、50代でそれまでの各年代と比べて急激に減少する。研究の末、皮脂不足を補うには植物を搾って得られる脂肪酸が有効であることがわかった。中でもオリーブのオイルに含まれるオレイン酸は、人の皮脂と組成が限りなく近い。これならば、きっと肌への効果と安全性を両立した自然派スキンケアが実現できる!そう確信した私たちは、『美容液オイル』の開発に着手した。

Chapter 3生産者を直接訪問。今では50ヶ所以上と取引が。

良質なオリーブオイルを求め、国産オリーブの発祥の地である香川県小豆島のオリーブ農家のリサーチを開始。何のつてもない中で苦戦していたときに、有名なオリーブオイル鑑定士の方と出会い、オリーブオイル配合の一歩を踏み出すことができた。
生産者の方と直接お会いしてCoyoriの想い・コンセプトを説明させていただいたところ、化粧品原料としての使用を喜んで受けてくださることに。取材シーンでも、生産者としての想いの丈を話してくれた。しかし、ここで大きな失敗を犯してしまう…。後日私たちが制作した広告資料を見た生産者から「私たちが込めた想いがちゃんと書かれていない」とのご指摘をいただいてしまったのだった。生産物を魅力的に伝えようとする中で、大事にすると決めたはずの生産者の想いやこだわりを、生産者の方々が納得できる形で表現できていなかったのだ。私たちは、改めて“生産者と消費者をつなぐ”ことの視点に立ち返って猛省し、小豆島に出向いて再度話し合いを重ねた。その結果、再度制作した広告の掲載は認めていただくことができ、その後も様々なシーンで協力いただける関係性を築くことができた。今もオリーブに限らず、より良い成分を見つけお客様に届けるために様々な場所に直接足を運び、丁寧に想いを聞くことにこだわり続けている。その結果、木村秋則さんのリンゴや五島列島の椿、鹿児島県のユズ、山形県の「つや姫」のコメヌカなど、数多くの素晴らしい素材に巡り会うことができた。

Chapter 4コンセプトを体現する“Coyoriレストラン”の開催

※2015年度Coyoriレストランでの生産者・お客様との記念写真
誕生して日を重ねるごとにCoyoriのファンは増え続けていった。しかし、この段階ではCoyoriに込めた想いが世の中に行き渡ったとはまだ言えず、商品を生産し広告をつくって販売するだけでなく、“生産者と消費者をつなぐ”というコンセプトをより分かりやすく体現することが必要だった。
あるとき、メンバー間での何気ない会話で「商品に使っている素材でレストランができたら面白いね!」そんな話題で盛り上がった。
Coyoriの化粧品に配合している素材は、もともと食べるためのもので、しかもこだわってつくられたものばかりだ。それらの素材を使用した料理で、日頃商品をご愛用くださっているお客様を招待し、部内のメンバーがスタッフとしておもてなしをすることは、Coyoriのコンセプトを体現するにはぴったりだとメンバーの誰もが感じた。
そしてそのアイディアは生産者の心をも動かし、多くの生産者の方々がレストランへの参加の意向を示してくださった。
ついに迎えた“第1回 Coyoriレストラン”に参加された方々からは、「こんなに美味しいものを肌に使っているなんて贅沢!」「会報誌で見て一度食べてみたいと思っていたの」と大盛況。参加された生産者の方々からも深く感謝をされ、「次回は、レストランへお越しいただいたお客様に直接、素材づくりのこだわりを伝えたい」という提案までいただくことができた。
そして評判は徐々に広がり、イベント発足から6年目を迎えた現在では、参加は抽選方式になり、その当選確率は30倍にまで膨らんだ。また、レストランを通して顔見知りになった生産者の元に、お客様が素材を見に足を運ばれたという事例もあるほど。
“生産者と消費者をつなぐ”このコンセプトが目に見えて形になったのだった。

Chapter 5誕生から8年、Coyoriの夢は日本中に広がっていく

コンセプトを体現するために日々地道に取り組んでいることは沢山ある。商品の良さだけでつながるのではなく、ブランドのコンセプトに共感してファンになってくださるお客様をつくることに立ち上げ当初から注力してきた。コンタクトセンターにおけるコミュニケーションでも、最適な商品をご提案するだけでなく、素材の魅力や生産者の想いを伝えて、お客様にCoyoriに愛着を感じていただけるよう取り組んでいる。また、お客様へお送りしている会報誌でも、素材と生産者の方々にフォーカスした記事を多く取り上げ、普段なかなか知る機会のない商品の深い情報にまで踏み込んで伝えている。
美容液オイルからスタートした商品は、今ではスキンケアだけでなくヘアケアやメイク、サプリメントなどにまで広がった。もちろんCoyoriのコンセプトや想いは、製品開発においても大切にし続けており、商品ラインナップが増える毎に日本全国の生産者とのつながりも増え、今では北は北海道、南は沖縄にまで及ぶ。
現在は、Coyoriレストランの開催をきっかけに「製品づくり体験」や「メイクレッスンイベント」など、“生産者と消費者をつなぐ“コンセプトを実現する複数のイベントを開催するまでになった。
今後もより多くの人にCoyoriの存在を知ってもらい共感を得られるよう、日々新たな取り組みにチャレンジし続けていきたいと思っている。

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